【コラム】プレゼンにも「選択と集中」が必要

講師コラム「研修の現場から」
西原 猛(日本プレゼンテーション教育協会 代表理事)

「選択と集中」という言葉を、経営戦略に関する話題やビジネス書でよく見かけます。これは自社の事業領域を明確にし、最も得意な事業に経営資源を集中させる、という意味です。さて、なぜプレゼンをテーマとしているのに「選択と集中」という話が出てくるのでしょうか。

それはプレゼンで構成を考える際も「選択と集中」が必要だからです。

詰め込みすぎは逆に何も残らない

分かりにくいプレゼン構成の典型的な過ちは「詰め込み過ぎ」にあります。これは限られた時間内にあれもこれもと話そうとするから、結果として内容が「広く浅く」になってしまい、聞き手の心に何一つ残らない、という結果になります。

よくあるパターンが、製品の特徴を時間内にすべて話そうとすることです。話し手としては当然、すべて伝えないと相手は理解してくれないと考えますが、果たしてそうでしょうか。

極端な例ですが、10の特徴を30分で話そうとしたら、1つあたり3分しかありません。しかし聞き手が興味を持っているであろう3つだけを選択し、集中してプレゼンすれば、1つあたり10分も話すことが出来ます。つまり、伝わりやすくなります。

聞き手にとっても「記憶に残りやすい」

もちろん、聞き手にとっても「記憶に残りやすい」という利点があります。10のことを話されても、すべて覚えられませんが、3つだけなら、かなり記憶に残りやすくなります。想像してみてください。次から次へと製品の特徴を話されるのが良いか、1つ1つ丁寧に説明されるのが良いかーー。

ところで残りの7つはどうするんだ、という疑問が当然出てきますが、そこはぬかりなく「配布資料」にキッチリ書いておけばOK。

あれもこれもと時間内にすべてを話そうとすれば、プレゼンでは厳禁の時間オーバーや、一方的に話してしまうことになり、ろくなことがありません。相手を動かすためには何が必要かをしっかり選びましょう。

講師からのアドバイス

あれもこれもは伝わらない。
何を伝えたいのか、しっかり選ぼう。


西原 猛

JPEA代表理事 兼 チーフ・インストラクター

イベントの企画・制作や、上場企業の新製品発表会や決算説明会、株主総会等のPR・IR支援に携わる。この時、プレゼンテーションの成否が「仕事や人生の結果」を左右する事を痛感し協会を設立。企業や学校、教育機関などで活躍している。京都府出身。