今年も我々プロ講師にとって、不安な季節がやってきた。
そう「台風」の季節である。
従来、講師は社員研修や講演会登壇のため、全国各地に飛行機や新幹線などの交通機関を使って移動する。
しかし台風が来ると交通機関が止まり、移動できなくなってしまうのだ。これは致命的である。
実際に数年前の超大型台風の時は、大阪から東京へ新幹線で移動する際、京都駅で4時間止まった。
この時は前日の移動だったため、事なきを得たが、これが当日移動だったらと考えると……いやはや恐ろしい。
よって、この時期は台風情報を逐一チェックし、ハラハラしている。
なので、状況によっては前泊や、別の移動手段(高速バスや自家用車等)も準備しておく。
何があっても現場に向かう。プロとはそういうものである。
ーーーが、今年は「オンライン」だ。
新型コロナウイルス観戦拡大防止のため、ほとんどの研修や講演会がオンラインに移行した。
だから長距離移動もなくなり、台風にハラハラさせられることもないなあと思っていたら……
実はそうでもなかった。
なぜなら社員研修の場合、安全・確実な研修のため、講師が顧客の会社や研修センターに出向き、そこから受講者に配信することもあるからだ。インターネット回線の速度や安定度から考えれば、講師の自宅や事務所よりもその会社の方が確実だ。
例えば、講師の自宅にはモバイルWiFiしかなく、配信途中で通信制限に引っかかり、動画がコマ送りに……なんてのはシャレにならない。
よって、全国各地への移動はなくならず、今年も台風情報にハラハラする日々が続くのだ。
ただ、万が一台風で移動できなくなった場合でも、オンライン登壇と言う選択肢が増えたことは非常にありがたい。
西原 猛 JPEA代表理事 兼 チーフ・インストラクター
イベントの企画・制作や、上場企業の新製品発表会や決算説明会、株主総会等のPR・IR支援に携わる。この時、プレゼンテーションの成否が「仕事や人生の結果」を左右する事を痛感し協会を設立。企業や学校、教育機関などで活躍している。京都府出身。