A.全員納得させる必要なし。重要人物にさえ納得してもらえれば良し!
全員を納得させる必要なし!?
聞き手が数十人もいると、彼らのプレゼン内容に関する知識レベルには差があります。そこで多くのプレゼンターが悩むのが「どうすれば全員を納得させることができるか」です。
あまり知識がない人向けに内容レベルを低くすると、知識がある人にはまどろっこしく感じます。逆にレベルを高くすると、今度は知識がない人が理解できません。だからといって真ん中に合わせても、やっぱり知識がない人にはわからないし、知識がある人は物足りないし……結局、どっちつかずの中途半端な内容になってしまうので、これもダメです。
——というわけで、ガラッと考え方を変えましょう。
実はプレゼンは授業や説明と違い、必ずしも全員に理解してもらったり、納得してもらう必要はありません。そんな馬鹿な!、と思うかもしれませんが、ちょっと思い出して下さい。プレゼンの目的はなんでしたか?
「聞き手にして欲しいことをしてもらうこと」でしたね。例えば「企画を承認してもらうこと」が目的の場合、それには聞き手の中でも重要人物、つまり聞き手の中の「決定権を持った人」や、コンペなど複数のプレゼンを聞いてから、決定権を持っている人に報告する「決定に影響を持つ人」に理解してもらい、納得してもらえれば良いのです。
つまり「重要人物」に照準を合わせよう!ということになります。
極端な例でいえば社長と新入社員がいた場合、決裁権を持つ社長にさえ納得してもらえれば良いのです。
そのためには当然、ヒアリングなどで事前に聞き手に関する情報を収集して、重要人物が誰か知る必要があります。こういうところで、日頃のコミュニケーション力が問われるわけですね。