プレゼンする時によく使うのが「グラフ」です。
グラフは、数字だらけのデータを視覚的にわかりやすく伝えるための効果的なツールです。そしてなによりも、数値で見せることによって説得力が高まります。単に「売り上げが伸びています」と言葉で説明するだけよりも、グラフで見せたほうが相手も納得しやすくなります。
そこで今回は、わかりやすいグラフの作り方についてお伝えします。
■グラフ作成 3つの手順
まずグラフを作る時は、次の手順で作るとサクサク作れます。
1.なんのためにグラフを使うのか
2.グラフの種類を決める
3.わかりやすくデザインする
1.なんのためにグラフを使うのか
まず「発表・報告」と「プレゼン」では、グラフを使う目的が違う、ということを覚えておきましょう。
「発表」や「報告」では、統計やアンケート集計結果などのデータを、視覚的にわかりやすくするためにグラフを使います。
例えば、年代別ユーザーアンケートのデータをグラフ化して、「こちらが先日実施したユーザーアンケートの集計結果です。20代からの評価が特に高いという結果が出ました」と説明します。基本的に説明するだけで、特に何か意見や主張はありません。
一方、「プレゼン」では、自分の意見の説得力を高めたい時や、相手を納得させたい時に使います。
例えば「20代がよく利用するSNSに広告を集中的に打ちましょう。なぜなら、先日実施したユーザーアンケートの集計結果で、20代からの評価が特に高いからです」というように「主張したいことの根拠」として使うのです。
実は「何が言いたいのかよくわからん」と言われてしまうプレゼンの多くは、発表や報告のように「こんなデータがあります」と、ただ見せているだけになっています。気をつけましょう。
2.グラフの種類を決める
次に、グラフの種類を決めます。お馴染みの円グラフや棒グラフなどいくつか種類があって、それぞれ特徴がありますので、適切なものを選びましょう。
円グラフ:全体における割合を示す
例 製品別売上比率、業界シェア、年齢構成比など
棒グラフ:複数の数値を比較する
例 支店別売上、都道府県別支出額、曜日別集客数など
折れ線グラフ:数値の変化を時系列で示す
例 株価、価格の変化、転入出人数など
散布図:2つの要素の関係性を示す
例 気温と売り上げ、残業時間と生産性、外食回数と一世帯の人数など
レーダーチャート:複数の要素を比較する
例 製品評価、味のバランス、成績表など
上記以外にも、「棒グラフ」と「折れ線グラフ」を組み合わせた「複合グラフ」もありますが、情報量が多くなるので、配布資料ならともかく、投影や画面共有には不向きです。使うならシンプルでわかりやすく作りましょう。
3.わかりやすくデザインする
紙に印刷したり、自分の好きに拡大縮小して読む「配布資料」と違い、スクリーンに投影したり、画面共有で見せながら話す「スライド」でグラフを使う場合は、文字の大きさや色選びなど、わかりやすいグラフを作ることが重要です。
・文字の大きさ:文字数を減らして大きくする
・配色:色数を増やさない。強調したい項目だけに赤やオレンジなど目立つ色を使う
・タイトル:なんのグラフなのかが一目でわかるタイトルをつける
・単位:数値には必ず単位を記載する(単位:百万円 など)
・出典:資料やデータの出所を明記する
グラフをうまく使えば、あなたのプレゼンの成功率がグッと上がります。
ちなみに次回は知らずに作ると信用ガタ落ち、知らずに見せられると引っかかる、「騙されるな!怪しいグラフの見破り方」です。