結婚式の定番スピーチの一つ「3つの袋」というのがあります。「堪忍袋」「給料袋」「お袋」の3つを大切に、という夫婦円満の秘訣についての話で、ご存知の方も多いのでは。しかし、あまりに有名になりすぎて、新郎新婦も他の参加者も(あー、あの話かぁ……)と思っているかもしれません。
さて、同じようなことがプレゼンにも当てはまります。
・当社独自の製法
・〇〇で未来を切り拓く
・こだわりの素材をふんだんに使用した〇〇
・〇秒に1個売れている
・非常に画期的な技術
・全米が泣いた など
プレゼンで商品やサービスの魅力を強調するためによく使われる「どこかで聞いたような……」表現。定番すぎて目新しさを感じません。いわゆるありきたりな、手垢のついた、そして聞き飽きた表現ばかりのプレゼンだと、本当は「画期的」なのに、画期的に感じられません。
確かに「特に今回はデザインにこだわりました。以上。」と言えば十分伝わるのではないか、と思いますね。しかし、聞き手が聞きたいのは、そもそも何にこだわっているのか、どうこだわっているのか、という具体的な説明です。こだわりましただけでは全く理解できません。
このように「画期的」「こだわり」という一言で表現してしまえば、確かに楽ではあります。新しい表現方法を考えるのは大変だし、事細かに説明するのは疲れるし。AIに作ってもらっても、やはりどこかで見たような表現になるし……。
もちろん、伝え方を考えに考え抜いて、たどり着いたのが「こだわりの……」になったのならともかく、とりあえずこだわりといっておけばそれっぽく伝わるだろう、と軽く考えてしまうと、聞き手はあなたの言葉を軽く受け取ります。
前述の「3つの袋」も、スピーチが上手い人は何とか新郎新婦にいい話をしようと捻ってきます。
「3つの袋のお話です。まずは……『紙袋』です」
えっ!?堪忍袋じゃないの?紙袋ってなに?、と会場内は大いに盛り上がるでしょう。
伝え方を考えるのは、とても時間がかかり、さらにとても苦しいですが、ぜひプレゼンで結果を出すために、自分自身の表現や伝え方を見つけてみましょう。
【ありきたり】従来と同じで、新味や工夫のない・こと(さま)。「―な言葉」
【手垢のついた】使い古されて、新味のないこと
【聞き飽きる】たびたび聞いて、もう十分だという気になる
プレゼンの極意:脱・ありきたり。
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