この忙しいのに、急に上から降ってきた無理難題案件について、四苦八苦して考え、資料を作り、そして苦手なプレゼンを頑張ってやったにも関わらず、終わってからの一言が「んー、よくわからなかった」。
そりゃブチ切れそうになります……が、6秒我慢して怒りを沈めてから、この言葉を思い出してください。
「他人に自分の考えや感情を理解させるのは非常に難しい」
なぜ理解してもらうことが難しいかというと、ある事柄に対して同じ考え方やモノの見方をしていないからです。例えばーー
Aさん「ペットを飼うなら”犬”だよな」
Bさん「そうだね、やっぱり”犬”だよね」
一見、お互いに話が通じているかのように思えますが、果たして両者が想像している犬の”種類”も同じでしょうか?
Aさんは「柴犬」で、Bさんは「セント・バーナード」かもしれません。ちなみに柴犬は体高40cmの小型犬で飼い主に大変忠実で義理堅い性格、セント・バーナードの体高80cmの大型犬で温和でおっとりな性格なので、同じ”犬”でもだいぶ違います。頭に思い浮かべているのは違う犬種なので、「大型犬は散歩が大変」とか「警戒心が強くて頑固だから……」など、意見の違いが出てきたりします。
日常会話なら「好みが全然違うねー」と笑い話ですみますが、ビジネスではそうもいきません。
多くの根拠を示した上で「〇〇よりも□□の方が良い」と散々説明したにも関わらず、「しかし□□の方が良いと思うけどなあ?」と言ってくる上司は一体、何を考えているのか−−。
そう、まさに何を考えているかは上司本人にしかわかりません。よって「一体、何を聞いていたんだ、この人は!?」とブチ切れる前に、「なぜ□□の方が良い、とお考えですか?」と、相手の考えを聞き出すことが重要です。そうすると、こちらがうっかり見落としていた点を指摘してくれたり、あるいは上司の単なる誤解だったことがわかったりします。
どんなに言葉を強調したり、繰り返し要点を伝えたところで、人は忘れる、誤解する、勘違いする、そして都合よく解釈する面倒な生き物なのです。だった1回数十分のプレゼン程度で、他人に自分の考えや感情を理解させるのは非常に難しいもの。むしろ、相手は何が理解できていないのか、なぜ納得できないのかを知るための機会だと思って臨みましょう。
プレゼンの極意:他人に自分の考えや感情を理解させるのは非常に難しい
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