講師コラム「研修の現場から」
西原 猛(日本プレゼンテーション教育協会 代表理事)
6月某日、大阪某所で開催されました合同会社説明会を視察してきました。
■そもそも合同会社説明会の「目的」とは?
「合同会社説明会(略:合説)」とは、イベント会場にブースで区切られた複数の企業が、それぞれ学生に会社のPRができる場です。学生にとっても、一度に様々な企業を回れるというメリットがあります。
さて、各ブースを巡ってまず初めに思ったのは、合説の「目的」が明確になっている会社と、そうではない会社の違いがはっきりしている、ということです。
■会社説明会の目的は「説明」することではない
プレゼンの目的は「人を動かすこと」です。例えば購入してもらう、契約してもらう、承認してもらう、応募してもらうです。合説の場合は「応募してもらう」です。また「トップセミナー」と呼ばれる、社長自らが熱い思いを語る自社単独の会社説明会へ「参加してもらう」という目的も考えられます。
--ちなみに別の問題として、いくら合説の採用担当者がプレゼンが上手くても、トップセミナーで社長が上手くなければ、学生の志望度があっという間に低下する、ということがありますが、それはまた別の機会に……。
つまり「目的」が明確になっているところと、そうではないところの違いとは「次のステップへ誘導できているか否か」です。会社説明会は、会社概要や業務内容をただ「説明だけ」する場ではありません。いかに学生に「もっと話を聞いてみたい。社長の話も聞いてみたい」と思わせられるかどうかが鍵と言えるでしょう。
そのためには、部門紹介、やりがい、残業時間、福利厚生などのたくさんの話したい情報の中から、「次のステップへ誘導させるために何を話し、何を話さないか絞り込むこと」が重要です。
▶︎次回「プレゼンする人の年齢によって、学生の集まり方が変わる?」
講師からのアドバイス
「誰に」「何を」「どうして欲しいか」
プレゼンの目的を明確にしよう
西原 猛
JPEA代表理事 兼 チーフ・インストラクター
イベントの企画・制作や、上場企業の新製品発表会や決算説明会、株主総会等のPR・IR支援に携わる。この時、プレゼンテーションの成否が「仕事や人生の結果」を左右する事を痛感し協会を設立。企業や学校、教育機関などで活躍している。京都府出身。