Vol.1では合同会社説明会(略:合説)の「目的」が明確になっているか、Vol.2では誰がプレゼンすると学生が集まりやすいか、についてお話ししました。
最終回はタイトルにもある「学生を引きつけるには?」です。
とにかく話し方に「間」がない
まずは、とにかく話し方に間が無い方が非常に多いです。聞いている学生達は、一生懸命メモを取りながら聞いているのですが、間断なく話を進められると、追いつきません。
実際にあるブースを見ていますと、最初のうちは必死にメモを取っていた学生達も、中盤を過ぎる頃にはメモを取らなくなる姿がちらほら見えました。
プレゼンやスピーチにおいて、聞き手は一方的に話を聞かされ続けると、飽きてきて集中力が低下します。間をとることで、メモを取る時間や内容について考える時間を与えることが出来ます。聞くだけではなく、手を動かす、考えるなどの別の刺激を脳に与えることで、集中力低下を防ぐことができます。
スライドと配布資料の役割は違う
イベントブースでは、プロジェクターを使ってパーティションにスライドを写すことが多いのですが、その際注意すべき点は「画面の投影サイズ」です。1枚のパーティション900mmに収まるサイズで投影しようとする場合、約40インチになりますが、これは会社の会議室などで良く見かける100インチスクリーンの半分以下になります。
つまり、社内では問題なく読めるスライドも、ブースでは縮小されて見えにくくなります。そうでなくても、1枚のスライドにぎっしりと文字や情報を詰め込んでしまっては、見えづらくて当然。
「スライドは見えなくても配布資料として配っているから問題なし」とお考えの方もいますが、そうすると今度は、学生達が大変です。採用担当者の顔を見て話を聞かなきゃならない、配布資料を読まなきゃならない、メモを取らなきゃならない、これで前述の間がない話し方だったりした日には、イベント会場外でぐったり座り込んでしまうのも仕方がありません。
そもそも配布資料に書かれたことをただ話すだけなら、わざわざプレゼンする必要はありません。読んでもらえればいいわけですから。なんのためにわざわざ前に立って話をするのか……それは学生達とコミュニケーションを取る必要があるからです。
プレゼンの主役は採用担当者自身であり、スライドや配布資料にばかり注目させてはいけません。スライドは話をより分かりやすくするためのもの、配布資料は後でじっくり読むためのもの。つまりそれぞれの役割に合わせて作成することが大切です。
講師からのアドバイス
スライドを読まない。
目の前の学生とコミュニケーションを取ろう
西原 猛
JPEA代表理事 兼 チーフ・インストラクター
イベントの企画・制作や、上場企業の新製品発表会や決算説明会、株主総会等のPR・IR支援に携わる。この時、プレゼンテーションの成否が「仕事や人生の結果」を左右する事を痛感し協会を設立。企業や学校、教育機関などで活躍している。京都府出身。