プロに訊く プレゼンの極意 Vol.1

プロに訊く プレゼンの極意 Vol.1

こんにちは。日本プレゼンテーション教育協会の代表理事・西原です。
10月からの新企画「プロに訊く プレゼンの極意」は、毎回、協会に寄せられるプレゼンやコミュニケーションに関する質問や、受講者の悩みなどを1つ取り上げて、それについて各界で活躍する様々なプロ講師・専門家にインタビューして、いろいろな視点からアドバイスいただきます。共通するアドバイスあり、独自の切り口で解決する方法もありで、きっと現状の打破するヒントになること間違いなしです!

さらにPodcastで、プロ講師から直接学べる!

本連載の連動企画として、アドバイスいただいた講師が耳で聞いて学べるラジオ番組、Podcast「めっちゃ!伝わるプレゼン」のゲストとして登場。協会代表の西原が直接アドバイスを伺います。読み終わった後に聴けば、さらに学べること間違いなしですよ。(本ページの最後にリンクがあります)

【今回のお悩み】
話がごちゃごちゃして、わかりにくいと言われます。
どうすればよいでしょうか?

定着しつつあるテレワークやウェブ会議だが、働き方は変わってもコミュニケーションの本質は変わらない。そう、「伝える」ことだ。話したり、チャットしたり、資料を見せながらプレゼンしたりと、仕事には不可欠なスキルである。ところが、伝えたいことが伝わらないと悩む社会人が大勢いる。

小売業で働くAさん(36)もその一人。上司や顧客に企画や商品のプレゼンすると、いつも「話がわかりにくい」「つまり、どういうことですか?」と言われてしまう悩みを抱えている。さらにAさん自身も「プレゼンしていると、途中で自分でも何を言いたいのか、よくわからなくなってしまって……」と困っている。

Aさんが自覚しているプレゼンの問題点
・大体、時間オーバーしてしまう
・最初から、細かい説明をしてしまう
・プレゼン途中で、スライドや資料には無い情報を盛り込んでしまう
・途中で何の話をしていたか、わからなくなることが多い

一体どうすれば、わかりやすく話すことができるだろうか……?

今回、アドバイスいただく先生

岡崎茂和

コーチングカレッジ認定講師
米国ギャラップ社認定
ストレングスコーチ

岡崎茂和 先生

今井千尋

テーマパークV字回復人財育成トレーナー
講演家・執筆家

今井千尋 先生

香料・医薬品メーカー
取締役 研究所所長
社内プレゼン・トレーナー

鈍寶敬之 氏

聞き手:西原 猛(日本プレゼンテーション教育協会 代表理事)


まずこの悩みを聞いて、世界2大テーマパークにて人事・人財育成・人財開発担当として、現場にて多くの仲間を育成してきた今井先生は「この悩みは仕事をしていたら、一度は経験する壁ではないでしょうか。誰しも同じような体験をしていることが多いのではないでしょうか」と話す。

また、全国各地で年間100日以上のセミナーに登壇し、コーチングやストレングスファインダーの資格も持つ岡崎先生も「『プレゼンしていると、途中で自分でも何を言いたいのか、よくわからなくなってしまって……』となるお気持ちはよく分かります。私も以前はプレゼンが苦手で、話している途中で自分が何を伝えようとしているのか分からなくなって『結局、何が言いたいの?』と言われてしまうことがありました。そこからは必死にプレゼンの勉強や練習を行い、今でこそ研修講師として企業で登壇し『とても分かりやすい』と言われるようになりましたが、それまでは試行錯誤の連続でした」と話す。

そして、全国各地の顧客にプレゼンを日常的に行いながら、プレゼンテーション技能検定1級を取得し、社内研修講師として人材育成に携わる、香料・医薬品メーカー取締役/研究所所長の鈍寶氏は「なかなか準備の時間も取れないような突然の報告や商談の時でも、慌てず意図した目的をほぼ達成するには『準備』が重要です」と話す。


日本プレゼンテーション教育協会のアンケート調査でも「何を言いたいのかわからないと言われる」と回答した人は34.3%。また直接言われないものの、多分、相手は心の中で(何を言っているのかさっぱりわからん……)と思っているはず……というセミナー受講生の話もよく耳にする。

話がわかりにくくなる原因とは

まず、話がわかりにくくなる原因について、今井先生は「途中で目的を見失うこと」と話す。

「まずは、人がなぜ話がズレてしまうのか、考えてみたいと思います。こんな言葉を紹介します。『人間最も愚かなことは、途中で目的を見失うということ』です。

「私たちは、毎日多くの情報の渦の中で生活をしています。タスクも次から次へと目の前にやってくるような状況です。今、コロナ渦の最中ともなれば、尚更で、不確実、曖昧さなど今までの前提を覆すような状況も多々あり、昨日の”YES”が、今日の”NO”なんてことはいくらでもある世界の中で、さらにとてもスピード感を求められるような日々を過ごし、仕事をしています」

「だからこそ、様々な私たちの目の前にやってくる情報の中から適切な情報を取捨選択し、最適解を見出す能力が今、必要になってきています。つまり、情報処理能力が求められています。人財育成 3.0 の世界では、今ここの情報を的確に収集し、まとめ、未来にむけて仮説(ゴールイメージ、プロセスイメージ)を立てていける力が必要とも言われています。このことからも、やはり情報を整理し、まとめ、伝える力が必要なのです」

また鈍寶氏は「プレゼンをする側は、これからこういうことを話そうと分かっているわけですが、聞き手はまったく分かっていないことが原因」と説明、だから「まず相手に全体像を示し、聴く準備をしてもらうことが大切です」と話す。


では、具体的にどうすればわかりやすく話すことができるのか。

今井先生は「ゴールを想い描くことから始める」、岡崎先生は「事前に『構成』をしっかりと考えましょう」、鈍寶氏は「冒頭に結論=相手にしてほしいこと・伝えたいことを的確に言う」とアドバイスする。

ゴールを想い描くことから始める

「今回、皆さんに今回提案したい解決策の1つは『ゴールを想い描くことから始める』ということ」と今井先生。

「常に自分自身が相手に届けたいゴールは何なのか、(ゴールイメージ)チェックをしながら、話のストーリーをリハーサルし、現在地とゴールとの間にあるプロセスを(プロセスイメージ)まとめるということです。まずは、相手に向き合う前にゴール・プロセスを見定めてみましょう」

「今回、相手に届ける内容(ゴール)は何なのか、そのプロセスをどのように描くのかをしっかりと決めるということです。焦点は『伝えること』ではなく『伝わること』。何を私は伝えたいのかを明確にブラさず考えてみましょう!」


確かに、わかりにくい話・伝わらない話は、話す本人自身が何を言いたいのか・伝えたいのかが、よくわかっていないことが多い。ゴール・プロセスが見えていなければ、迷子になって当然だ。

事前に『構成』をしっかりと考えましょう

岡崎先生は「構成とは、何をどんな順番で話すのか?を整理すること」がポイントだと話す。

「事前に構成を練っておくことで、話がごちゃごちゃしたり、時間オーバーになってしまうことを防ぐことができます。オススメの構成法は『PREP法』と呼ばれるものです。PREPとは『結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)』の順番で話を展開するフレームワークのことです」

「PREP法のメリットは、第一に、結論を最初と最後に伝えることで、結論が伝わりやすいということ。第二に、理由と具体例をセットにすることで、説得力が増すということです」と解説する。


この「PREP法」はプレゼンに限らず、スピーチや朝礼、また報告書やメール作成にもよく使われる、わかりやすい話の「型」だ。では、具体的にどの様に使えば良いのだろうか。岡崎先生の解説は続く。

「例えば『弊社のHPもスマホに対応させましょう』と主張するだけでは、説得力がありません。しかし、このように伝えるとどうでしょう?」

  • 弊社のHPもスマホに対応させましょう(結論)
  • 理由は、今の人たちの多くは、スマホでネット検索をするからです(理由)
  • 実際、総務省の調査によると、個人がインターネットを利用する機器は、スマートフォンが54.2%、PCが48.7%とスマホが上回っています(具体例)
  • だからこそ、これからはスマホに対応したHPを作るべきです(結論)

「PREP法を使って構成を考えることで、分かりやすく相手を納得させるプレゼンを行うことができます。構成さえしっかりと作っておけば、無駄なことを話すことも減りますし、途中で多少話がズレそうになっても、再度この構成に戻すことができます。ぜひ参考になさってみてください」

冒頭に結論=相手にしてほしいこと・伝えたいことを的確に言う

鈍寶氏も同じく「型」がポイントだと話す。「プレゼンの状況にもよりますが、企画や商品について予備知識や情報が無い場合は、最初に簡潔に結論の導入になるような話を行い、そして結論となる伝えたいことを伝えて、なぜそうなのかを3つまでに絞って説明し、実例を分かりやすく具体的に1つ話せば、聴く側も話す側もとても分かりやすくなります」とアドバイスする。さらに……

「これを間違いなく的確に行うために必ずやらなければいけないのが、準備です。上司や顧客に会う前に、

  1. つかみ
  2. 結論
  3. 理由3つ
  4. 実例1つ

これらをメモでもいいので書き留めておけば、スムーズな意思疎通が出来ます」

「時間を与えられ、資料を準備して行うようなプレゼンでは、上で挙げた4つの流れに基づいてしっかりと準備を行い、そして出来上がった資料は出来るだけ聴き手にとって必要なものだけに絞り、シンプルで分かりやすいものとすることが大切です。そしてリハーサルを3回ほど行えば準備は完了です。あとは当日聴き手に向かってゆっくりと、適切な『間』を取って自信に満ちた態度で説明すれば、相手に伝えたいことはほぼ伝わるでしょう」

そして最後に「『段取り八分仕事二分』をアドバイスの締めくくりに贈ります」という言葉を頂いた。これはプレゼンに限らず、すべての仕事に当てはまる、心に刻み込んでおくべき格言だろう。


わかりやすく話すには、何を伝えたいのかというゴールを考え、わかりやすい話の「型」を身につけ、突然のプレゼンにも対応できるよう、しっかりと準備しておくことが鍵となりそうだ。

まとめ

【今回の悩み】話がごちゃごちゃして、わかりにくいと言われます。どうすればよいでしょうか?

岡崎茂和

岡崎先生

事前に『構成』をしっかりと考えよう


今井千尋

今井先生

ゴールを想い描くことから始めよう


鈍寶氏

冒頭に結論=相手にしてほしいこと・伝えたいことを的確に言う

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サイト http://jpea.jp
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